難削材の切削条件は、これまで比較的低く設定されてきました。工具性能の向上、高速・高精度のCNC工作機械の登場、高速フライス加工法の導入により、難削材の切削加工は高速加工の時代に突入しました。そして長い工具寿命。現在、切削深さを小さくして工具の刃先負荷を減らし、加工方法の切削速度と送り速度を上げることが、難削材を切削するための最良の方法になっています。もちろん、難削材の固有の特性に適応するための工具材料と工具形状の選択も非常に重要であり、工具切削軌道の最適化に努める必要があります。
例えば、ステンレス鋼などの穴あけ加工では、熱伝導率が低い材料のため、切削熱が刃先に多く滞留しないようにする必要があり、断続切削を極力使用する必要があります。刃先と切削面の摩擦熱を避けることで、工具の寿命を延ばし、切削の安定性を確保します。ボールエンドミルで難削材を荒加工する場合、工具の形状と治具の形状を一致させると、工具の切削部の振動精度とクランプ剛性が向上し、送りを確実に得ることができます。高速回転条件下での刃当たりを最大限に高め、工具寿命を延ばします。